こんにちは。吉田です。
Architect innovation株式会社で注文住宅を設計したり、施工したり、デザインをしています。
本日は、“注文住宅を建てさせていただいて、お客様からいただいたLINE” について書かせていただきます。
これは本当に幸せな気持ちになれたのでぜひブログに書きたいなと思い、書いてます。
とある日、
お引渡しをさせていただきました、お客様からLINEをいただきました。
2020年12月21日13:29分
LINEの文書をそのまま書かせていただきます。
“吉田さん ありがとう
土曜日に3家族12人でクリスマス会をしました。
以前に比べてゆったりとみんなが椅子に座ることができました。
大人数で集まれるリビングと暖かい家を作っていただきありがとうございます。夢が一つ叶いました。“
この文章をいただけたときは本当に泣いてしまいました。
同時に25歳の事を思い出しました。
少しだけ自分の話をします。
当時の僕は調子に乗っていました。
とある会社で少しずついろいろな仕事を任されていたからです。
そんな調子に乗った僕はその会社を辞めました。
こんな感じで調子に乗ってました(笑)
多分25歳くらいです(笑)
いつか独立したときの為に、建築の全ての仕事(営業、設計、工事、積算、インテリア)を出来るようになろう。
その為に、全ての仕事をさせてもらえる会社に転職しようと思いました。
当時発売されていた、『みやぎの注文住宅』(多分、そのような名前だったと思います。間違っていたらすいません。)という雑誌に載っていた会社の最初のページから順番に電話をしていきました。
「求人はありませんか?」と聞くと、門前払いとはこのことです。
どこの会社様も話すら聞いてもらえません。
それはそうですよね。
わけのわからない人間が突然電話をしてきて、変な事を聞いてくる。
逆の立場なら即断りますよね。
そんな中、1社だけ「面接してもいいよ」と言ってくれた会社様がありました。
面接当日、面接はその会社様のオープンハウス会場で行われたのですが
会場に行って驚きました。
全てが手作りで、今までみてきたそれとはまるで違いました。
そこで僕は堂々と「建築の全ての仕事ができるようになりたいです。」と伝えました。
「多分、無理だよ」と、言われました。
それでも僕は調子に乗っていますから、へらへらしながら「はい・・」と答え
(いやいや、できるでしょ)くらいに思っていました。
無事に入社も決まり、意気揚々と出社しましたが
即インフルエンザにかかり、1日出社して1週間お休みをいただくことになりました…。
本格的に仕事が始まると、挫折の連続で自分は何もできないと思い知らされます。
確認申請もまともに提出できないのです。
【※確認申請とは図面を行政庁に提出して、法律とかちゃんと守れているかを見てもらうことです。】
検査の立ち合いに行ってきて、と言われてもびくびくしながら行く始末。
配筋検査の立ち合いに行ってきてとか、コンクリート試験に名刺を挟んできてとかいわれてもちんぷんかんぷん。
全く意味が分かりません。
ちょっとだけ自信があったインテリアも、全然だめ。
ドレープって何?
白熱、蛍光って何?
クロスって量産と1000番があるの?
これもだめ。
初体験の営業は恥ずかしい思いばっかりでした。
(今思えば、恥ずかしいという気持ちが恥ずかしいですけどね(笑))
ロールプレイングも着座まで誘導できません。
知識を話すだけの営業は営業ではないよ!と指導いただきました。
6年間行ってきた設計には自信をもっていましたが、これもダメでした。
まずはスピード感についていけません。
もともと居た会社様は建売重視のスピード感を大切にしていたので多少の自信がありました。
しかし、この時の会社様は全てが注文住宅。そして、全棟【長期優良住宅】。
お客様の溢れるご要望にわからない素材に塗装を加えて対応していかなければなりません。
そこで思いました。
自分はどれだけ思い上がりをしていたのだろうと。
建築は“沢山の業種、職種の方がいなければできないのです”
“自分ひとりが全てをわかっていて、できるなんてことはまずありません”
”たった一つの事をわかった(つもり)ぐらいで調子にのれるわけがない”
そこからは勉強の連続でした。
まず、通勤時間は全て建築の本を読む時間にあてました。
往復2時間あるので、2時間は読書ができます。
幸いお世話になっていた会社様にはとんでもない建築の本があったので
お金はかかりませんでした。(笑)
そして、自分は出来るという考え方を捨てました。
そうすると変なプライドとか意地とかがなくなるので。
それからすこしずつお客様と直接打ち合わせをさせていただけるようになりました。
入社から2年が過ぎたときにとあるお客様と出会いました。
宮城県の佐沼という場所に建てさせていただいたお客様でした。
建物は32坪の3LDKです。
こちらの建物が完成したときにお客様に言われたことがあります。
「吉田さん、ありがとう。
毎回毎回遠くまで打ち合わせに来てくれてありがとう。
そんなに贅沢なお家ではないけど、家族でゆっくり暮らせる、いいお家になりました。」
その時に決めたことがありました。
“多分僕は有名で偉大な建築家にはなれない。
だから、せめて僕が携わったお客様には吉田さんに頼んでよかった。
そう思われる人になろう“と決めました。
それから月日は流れて独立したわけですが、
今回建てさせていただいたお客様からこのようなお言葉をいただけたことは本当に嬉しかったです。
孤独でがむしゃらに走ることしかできない日常が救われました。
わざわざ文章を送らなくてもいいのに、形にして送ってくださったお客様が
本当に素敵だなと思いました。
まだまだ小さな会社で、至らない点ばかりです。
毎日、お客様に助けられています。
本当にありがとうございます。
年の瀬に起きた素敵な出来事をどうしてもブログでご紹介させていただきたく
書いてしまいました。
今後ともどうぞ、よろしくお願い致します。
GOOD DESIGN × ARCHITECT INNOVATION